第4節 不動産鑑定士の責務

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第4節 不動産鑑定士の責務 

土地は、土地基本法に定める土地についての基本理念に即して利用及び取引が行われるべきであり、特に投機的取引の対象とされてはならないものである。不動産鑑定士は、このような土地についての基本的な認識に立って不動産の鑑定評価を行わなければならない。 

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を担当する者として、十分に能力のある専門家としての地位を不動産の鑑定評価に関する法律によって認められ、付与されるものである。したがって、不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価の社会的公共的意義を理解し、その責務を自覚し、的確かつ誠実な鑑定評価活動の実践をもって、社会一般の信頼と期待に報いなければならない。 

そのためには、まず、不動産鑑定士は、同法に規定されているとおり、良心に従い、誠実に不動産の鑑定評価を行い、専門職業家としての社会的信用を傷つけるような行為をしてはならないとともに、正当な理由がなくて、その職務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないことはいうまでもなく、さらに次に述べる事項を遵守して資質の向上に努めなければならない。 

 (1)高度な知識と豊富な経験と的確な判断力とが有機的に統一されて、初めて的確な鑑定評価が可能となるのであるから、不断の勉強と研鑚とによってこれを体得し、鑑定評価の進歩改善に努力すること。 

 (2)依頼者に対して鑑定評価の結果を分かり易く誠実に説明を行い得るようにするとともに、社会一般に対して、実践活動をもって、不動産の鑑定評価及びその制度に関する理解を深めることにより、不動産の鑑定評価に対する信頼を高めるよう努めること。 

 (3)不動産の鑑定評価に当たっては、自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず、公平妥当な態度を保持すること。 

 (4)不動産の鑑定評価に当たっては、専門職業家としての注意を払わなければならないこと。 

 (5)自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価を引き受け、又は縁故若しくは特別の利害関係を有する場合等、公平な鑑定評価を害する恐れのあるときは、原則として不動産の鑑定評価を引き受けてはならないこと。 


ポイント


特に優先して覚えるべきことはありません。書いてある責務は次の通り。
・良心に従い誠実に
・秘密を守る
・不断の勉強と研鑽
・鑑定評価に対する信頼を高める
・公正妥当な態度を保持する
・専門職業家として注意を払う
・公平な鑑定評価を害する恐れがあるときは引き受けない(能力の限度をこえる・利害関係があるなど)


なお、法律が2つありますが、以下の通り理解するとわかりやすいです。
・土地の利用や取引に関すること→土地基本法
・不動産鑑定士の行為に関すること→不動産の鑑定評価に関する法律