Ⅰ 土地に関する個別的要因

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Ⅰ 土地に関する個別的要因 

1.宅地 

(1)住宅地 
住宅地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。 

 ① 地勢、地質、地盤等 
 ② 日照、通風及び乾湿 
 ③ 間口、奥行、地積、形状等 
 ④ 高低、角地その他の接面街路との関係 
 ⑤ 接面街路の幅員、構造等の状態 
 ⑥ 接面街路の系統及び連続性 
 ⑦ 交通施設との距離 
 ⑧ 商業施設との接近の程度 
 ⑨ 公共施設、公益的施設等との接近の程度 
 ⑩ 汚水処理場等の嫌悪施設等との接近の程度 
 ⑪ 隣接不動産等周囲の状態 
 ⑫ 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易 
 ⑬ 情報通信基盤の利用の難易 
 ⑭ 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態 
 ⑮ 土壌汚染の有無及びその状態 
 ⑯ 公法上及び私法上の規制、制約等 

(2)商業地 
商業地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。 

 ① 地勢、地質、地盤等 
 ② 間口、奥行、地積、形状等 
 ③ 高低、角地その他の接面街路との関係 
 ④ 接面街路の幅員、構造等の状態 
 ⑤ 接面街路の系統及び連続性 
 ⑥ 商業地域の中心への接近性 
 ⑦ 主要交通機関との接近性 
 ⑧ 顧客の流動の状態との適合性 
 ⑨ 隣接不動産等周囲の状態 
 ⑩ 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易 
 ⑪ 情報通信基盤の利用の難易 
 ⑫ 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態 
 ⑬ 土壌汚染の有無及びその状態 
 ⑭ 公法上及び私法上の規制、制約等 

(3)工業地 
工業地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。 

 ① 地勢、地質、地盤等 
 ② 間口、奥行、地積、形状等 
 ③ 高低、角地その他の接面街路との関係 
 ④ 接面街路の幅員、構造等の状態 
 ⑤ 接面街路の系統及び連続性 
 ⑥ 従業員の通勤等のための主要交通機関との接近性 
 ⑦ 幹線道路、鉄道、港湾、空港等の輸送施設との位置関係 
 ⑧ 電力等の動力資源の状態及び引込の難易 
 ⑨ 用排水等の供給・処理施設の整備の必要性 
 ⑩ 上下水道、ガス等の供給・処理施設の有無及びその利用の難易 
 ⑪ 情報通信基盤の利用の難易 
 ⑫ 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無並びにその状態 
 ⑬ 土壌汚染の有無及びその状態 
 ⑭ 公法上及び私法上の規制、制約等 


2.農地 
農地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。 

(1)日照、乾湿、雨量等の状態 
(2)土壌及び土層の状態 
(3)農道の状態 
(4)灌漑排水の状態 
(5)耕うんの難易 
(6)集落との接近の程度 
(7)集荷地との接近の程度 
(8)災害の危険性の程度 
(9)公法上及び私法上の規制、制約等 


3.林地 
林地の個別的要因の主なものを例示すれば、次のとおりである。 

(1)日照、乾湿、雨量等の状態 
(2)標高、地勢等の状態 
(3)土壌及び土層の状態 
(4)木材の搬出、運搬等の難易 
(5)管理の難易 
(6)公法上及び私法上の規制、制約等 


4.見込地及び移行地 
見込地及び移行地については、転換し、又は移行すると見込まれる転換後又は移行後の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきであるが、転換又は移行の程度の低い場合においては、転換前又は移行前の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきである。 



(留意事項)

Ⅱ 「総論第3章不動産の価格を形成する要因」について 

「総論第3章不動産の価格を形成する要因」で例示された土地、建物並びに建物及びその敷地に係る個別的要因に関しては、特に次のような観点に留意すべきである。 


1.土地に関する個別的要因について 

 (1)埋蔵文化財の有無及びその状態について 
文化財保護法で規定された埋蔵文化財については、同法に基づく発掘調査、現状を変更することとなるような行為の停止又は禁止、設計変更に伴う費用負担、土地利用上の制約等により、価格形成に重大な影響を与える場合がある。 

埋蔵文化財の有無及びその状態に関しては、対象不動産の状況と文化財保護法に基づく手続きに応じて次に掲げる事項に特に留意する必要がある。 

   ① 対象不動産が文化財保護法に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に含まれるか否か。 
   ② 埋蔵文化財の記録作成のための発掘調査、試掘調査等の措置が指示されているか否か。 
   ③ 埋蔵文化財が現に存することが既に判明しているか否か(過去に発掘調査等が行われている場合にはその履歴及び措置の状況)。 
   ④ 重要な遺跡が発見され、保護のための調査が行われる場合には、土木工事等の停止又は禁止の期間、設計変更の要否等。 

 (2)土壌汚染の有無及びその状態について 
土壌汚染が存する場合には、汚染物質に係る除去等の費用の発生や土地利用上の制約により、価格形成に重大な影響を与える場合がある。 

土壌汚染対策法で規定された土壌汚染の有無及びその状態に関しては、対象不動産の状況と土壌汚染対策法に基づく手続きに応じて次に掲げる事項に特に留意する必要がある。 

   ① 対象不動産が、土壌汚染対策法第3条に規定する有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地を含むか否か、又は同法の施行の前に有害物質使用特定施設に相当する工場又は事業場の敷地であった履歴を有する土地を含むか否か。 
   ② 対象不動産について有害物質使用特定施設の使用の廃止に伴い、土壌汚染対策法第3条に規定する土壌の汚染の状況についての調査義務が発生しているか否か、又は同法第4条の規定により都道府県知事から土壌の汚染の状況についての調査を実施することを命ぜられているか否か。 
   ③ 対象不動産について土壌汚染対策法第5条に規定する指定区域の指定がなされているか否か、又は過去において指定区域指定の解除がなされた履歴があるか否か。 
   ④ 対象不動産について土壌汚染対策法第7条の規定により都道府県知事から汚染の除去等の措置を講ずべきことを命ぜられているか否か。