前へ 1.正常価格 (1)市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が自由であること。 なお、ここでいう市場参加者は、自己の利益を最大化するため次のような要件を満たすとともに、慎重かつ賢明に予測し、行動するものとする。 ① 売り急ぎ、買い進み等をもたらす特別な動機のないこと。 ② 対象不動産及び対象不動産が属する市場について取引を成立させるために必要となる通常の知識や情報を得ていること。 ③ 取引を成立させるために通常必要と認められる労力、費用を費やしていること。 ④ 対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行うこと。 ⑤ 買主が通常の資金調達能力を有していること。 (2)取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような特別なものではないこと。 (3)対象不動産が相当の期間市場に公開されていること。 (留意事項) 3.鑑定評価によって求める価格の確定について (1)正常価格について 現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件について ① 買主が通常の資金調達能力を有していることについて 通常の資金調達能力とは、買主が対象不動産の取得に当たって、市場における標準的な借入条件(借入比率、金利、借入期間等)の下での借り入れと自己資金とによって資金調達を行うことができる能力をいう。 ② 対象不動産が相当の期間市場に公開されていることについて 相当の期間とは、対象不動産の取得に際し必要となる情報が公開され、需要者層に十分浸透するまでの期間をいう。なお、相当の期間とは、価格時点における不動産市場の需給動向、対象不動産の種類、性格等によって異なることに留意すべきである。 また、公開されていることとは、価格時点において既に市場で公開されていた状況を想定することをいう(価格時点以降売買成立時まで公開されることではないことに留意すべきである。)。 |