第2節 依頼者、提出先及び利害関係等の確認

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第2節 依頼者、提出先及び利害関係等の確認 

前節による依頼者の意思の確認においては、あわせて、次に掲げる事項を確認するものとする。 

Ⅰ 依頼者及び鑑定評価書が依頼者以外に提出される場合における当該提出先 

Ⅱ 関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者に係る利害関係等 

 1 関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者の対象不動産に関する利害関係等 
関与不動産鑑定士(当該鑑定評価に関与するすべての不動産鑑定士をいう。以下同じ。)又は関与不動産鑑定業者(関与不動産鑑定士の所属する不動産鑑定業者をいう。以下同じ。)について、対象不動産に関する利害関係又は対象不動産に関し利害関係を有する者との縁故若しくは特別の利害関係の有無及びその内容を明らかにしなければならない。 

 2 依頼者と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との関係 
依頼者と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との間の特別の資本的関係、人的関係及び取引関係の有無並びにその内容を明らかにしなければならない。 

 3 提出先等と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との関係 
鑑定評価額が依頼者以外の者へ開示される場合における当該開示の相手方又は鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合における当該提出先(以下「提出先等」という。)と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との間の特別の資本的関係、人的関係及び取引関係の有無並びにその内容を明らかにしなければならない。ただし、提出先等が未定の場合又は明らかとならない場合における当該提出先等については、その旨を明らかにすれば足りる。 


(留意事項)

Ⅵ 「総論第8章鑑定評価の手順」について 

1.依頼者、提出先及び利害関係等の確認について 
 (1)鑑定評価書が依頼者以外に提出される場合における当該提出先について 
鑑定評価書が依頼者以外に提出される場合における当該提出先の確定については、依頼目的に応じ、必ずしも個別具体的な名称等による必要はなく、提出の目的、提出先の属性等利用目的の把握に資するものでも足りる。このため、個別具体の名称等が明らかでない場合であっても、これら利用目的の把握に資する情報を把握することが必要であることに留意しなければならない。 

 (2)関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者に係る利害関係等について 
  ① 関与不動産鑑定士について 
関与不動産鑑定士とは、当該不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士の全員をいい、当該不動産の鑑定評価に関する業務の全部又は一部を再委託した場合の当該再委託先である不動産鑑定業者において当該不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士を含むものとする。 

  ② 関与不動産鑑定業者について 
関与不動産鑑定業者とは、当該不動産の鑑定評価に関与不動産鑑定士を従事させている不動産鑑定業者のすべてをいう。 

  ③ 依頼者と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との関係について 
依頼者と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との関係に関し明らかにすべき特別の関係及びその内容は、最低限、次に掲げるものとする。ただし、依頼目的や、依頼者、提出先等のほか関係者の判断に与える大きさ等にかんがみ必要な特別の関係についても明らかにするものとする。 

   ア明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定業者(②に規定する不動産鑑定業者をいう。以下同じ。)との間の特別の資本的関係とは、前事業年度(財務諸表等が未調製のときは、前々事業年度。ウにおいて同じ。)において、当該依頼者又は当該不動産鑑定業者のいずれか一方が他方の子会社(連結財務諸表原則にいう子会社をいう。)又は関連会社(連結財務諸表原則にいう関連会社をいう。)である場合その他これらと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、出資割合その他当該関係に該当することとなった事項とする。 

   イ明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定業者との間の特別の人的関係とは、当該依頼者又は当該依頼者を代表する者が当該不動産鑑定業者又は当該不動産鑑定業者を代表する者である場合その他これらと同等以上の人的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該関係に該当することとなった事項とする。 

   ウ明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定業者との間の特別の取引関係とは、当該不動産鑑定業者の前 事業年度において、当該依頼者からの借入れが当該不動産鑑定業者の負債の過半を占める場合、当該不動産鑑定業者の売上げ(鑑定評価等業務に係る売上げ以外のものを含む。)において当該依頼者からの売上げが過半を占める場合、当該依頼者と当該不動産鑑定業者の取引額が当該不動産鑑定業者の鑑定評価等業務における受注額の半分に相当する額を超える場合その他これらと同等以上の取引関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該負債、売上げ又は取引額の割合その他当該関係に該当することとなった事項とする。 

   エ明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定士との間の特別の資本的関係とは、当該依頼者の議決権につきその2割以上を当該不動産鑑定士が保有している場合その他これと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、議決権の割合その他当該関係に該当することとなった事項とする。 

   オ明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定士との間の特別の人的関係とは、当該依頼者又は当該依頼者を代表する者が当該不動産鑑定士である場合その他これらと同等以上の人的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、当該関係に該当することとなった事項とする。 


  ④ 提出先等と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との関係について 
③の規定は、明らかにすべき提出先等と関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者との関係について準用する。この場合において、「依頼者」とあるのは「提出先等」と、「当該依頼者」とあるのは「当該提出先等」と読み替えるものとする。 

なお、総論第9章第2節ⅧからⅩまでに規定する事項を鑑定評価報告書に記載する場合おいても、(1)及び(2)に定めるところによる。