第6節 資料の検討及び価格形成要因の分析

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第6節 資料の検討及び価格形成要因の分析 

資料の検討に当たっては、収集された資料についてそれが鑑定評価の作業に活用するために必要にして十分な資料であるか否か、資料が信頼するに足りるものであるか否かについて考察しなければならない。この場合においては、価格形成要因を分析するために、その資料が対象不動産の種類並びに鑑定評価の依頼目的及び条件に即応しているか否かについて検討すべきである。 

価格形成要因の分析に当たっては、収集された資料に基づき、一般的要因を分析するとともに、地域分析及び個別分析を通じて対象不動産についてその最有効使用を判定しなければならない。 

さらに、価格形成要因について、専門職業家としての注意を尽くしてもなお対象不動産の価格形成に重大な影響を与える要因が明らかでない場合には、原則として他の専門家が行った調査結果等を活用することが必要である。ただし、依頼目的や依頼条件による制約がある場合には、依頼者の同意を得て、想定上の条件を付加して鑑定評価を行うこと又は自己の調査分析能力の範囲内で当該要因に係る価格形成上の影響の程度を推定して鑑定評価を行うことができる。この場合、想定上の条件を付加するためには条件設定に係る一定の要件を満たすことが必要であり、また、推定を行うためには客観的な推定ができると認められることが必要である。 


(留意事項)

2.資料の検討及び価格形成要因の分析について 

 (1)不動産鑑定士の調査分析能力の範囲内で合理的な推定を行うことができる場合について 
不動産鑑定士の調査分析能力の範囲内で合理的な推定を行うことができる場合とは、ある要因について対象不動産と比較可能な類似の事例が存在し、かつ当該要因が存することによる減価の程度等を客観的に予測することにより鑑定評価額への反映が可能であると認められる場合をいう。 


 (2)価格形成要因から除外して鑑定評価を行うことが可能な場合について 
価格形成に影響があるであろうといわれている事項について、一般的な社会通念や科学的知見に照らし原因や因果関係が明確でない場合又は不動産鑑定士の通常の調査において当該事項の存否の端緒すら確認できない場合において、当該事項が対象不動産の価格形成に大きな影響を与えることがないと判断されるときには、価格形成要因から除外して鑑定評価を行うことができるものとする。